古井由吉氏による『山躁賦』は、講談社から刊行されている連作短篇集です。日常の輪郭が曖昧になった「私」が、比叡や高野といった霊場を巡る旅を描いています。内向世代を代表する作家として知られる著者の、古典への深い造詣と幻想的な筆致が融合した一冊です。
文学的な深みを求める読者や、現実と異界の境界を漂うような読書体験を求める方に適しています。購入前には、収録作品や著者の解説などを確認しておくのがおすすめです。
山躁賦の基本情報
| 商品名 | 山躁賦 |
|---|---|
| 著者 | 古井 由吉/堀江 敏幸 |
| 出版社 | 講談社 |
| ISBN | 9784061984530 |
| レビュー | ★5.0(3件) |
内容の解説
本作は、日常の連続性を見失った主人公「私」が、病み上がりの心身を抱えて比叡や高野などの神社仏閣を巡る姿を描いた連作短篇集です。信仰心や観光目的とも異なる、曖昧な心理状態で冬の山へと足を踏み入れた「私」を、山に潜むモノたちが取り囲みます。
現在と過去、生と死の境界が溶け合うような異域への幻想行が、著者の研ぎ澄まされた感覚によって描写されています。古井文学における古典への傾斜が際立つ作品であり、自我からの脱出を刻む重要な一冊です。
- 著者:古井 由吉/堀江 敏幸
- 出版社:講談社
- ISBN:9784061984530
山躁賦のみんなの書評
言葉の密度が非常に高く、一文一文をじっくりと味わうような読書体験ができる作品として受け止められています。現実の風景描写から、いつの間にか異界や過去の記憶へと滑り込んでいくような独特の浮遊感が、この作品の大きな魅力です。古典文学の引用や響きが現代の風景と重なり合い、読者を日常のすぐ裏側にある深淵へと誘うような感覚をもたらします。
一方で、その抽象度の高い表現や、意識の移ろいをそのまま写し取ったような文体は、難解に感じられる場合もあるようです。しかし、その「わからなさ」も含めて、言葉の森を彷徨うことを楽しむ作品として高く評価されています。物語の筋を追うことよりも、文体が生み出す空気感や、著者の深い思索に触れたいと願う方にとって、非常に満足度の高い一冊となるでしょう。
読んだ感想
読み進めるうちに、自分自身の足元も少しずつ揺らいでいくような、不思議な感覚に包まれました。病み上がりの気だるさという設定が、現実世界との距離感を絶妙に表現しており、読者もまた「中ぶらりん」な状態で山を歩いているような気分になります。
特に、古典の「歌」が風景と重なる場面では、時間の感覚が消失していくような静かな迫力を感じました。
- 言葉が持つリズムや響きが美しく、声に出して読みたくなるような箇所がいくつもありました。
- 日常のふとした瞬間に感じる「ここではないどこか」への予兆が、見事に言語化されている印象です。
- 一気に読み切るというよりは、少しずつページをめくり、余韻を楽しみながら時間をかけて向き合いたい作品です。
文学的な香りが非常に強く、読後の余韻が長く残ります。ただ、明快なストーリー展開を好む方には、少し掴みどころがなく感じられるかもしれません。静かな夜に、一人でじっくりと言葉に浸りたいときに手に取りたい一冊です。
こんな人におすすめ
文学的な深みや、密度のある文体を好む読者に向いています。日常から少し離れた幻想的な世界観に浸りたい方や、古典文学の要素が織り交ぜられた現代小説に興味がある方におすすめです。
商品画像
確認したい内容
山躁賦を購入する前に、内容紹介、著者・出版社、発売日、版・形式、対応機種、特典の有無などを商品ページで確認しておくと安心です。購入条件の細部は変わる場合があります。
よくある質問
Q. 『山躁賦』の著者は誰ですか?
A. 著者は古井由吉氏と堀江敏幸氏です。本作は古井文学の転換点とも言える連作短篇集で、研ぎ澄まされた感覚で描写された幻想的な世界観が特徴となっています。
Q. この本の出版社はどこですか?
A. 出版社は講談社です。日常を見失った「私」が神社仏閣を巡る旅を描いた文学作品として、多くの読者から注目を集めている一冊です。
Q. どのような内容の物語ですか?
A. 病み上がりの「私」が比叡高野などの神社仏閣を巡る幻想行を描いた短篇集です。「無言のうちは」や「里見え初めて」など、古典への傾斜が際立つ複数のエピソードが収録されています。
Q. ISBNコードを教えてください。
A. この商品のISBNコードは9784061984530です。楽天ブックスでは、正確なISBNコードをもとにした商品検索や詳細情報の確認がスムーズに行えます。
Q. レビュー評価はどうなっていますか?
A. 楽天ブックスでのレビュー件数は3件、平均評価は5点となっています。実際の読者の感想や詳しい評価内容については、商品ページにて詳細をご確認いただけます。
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古井由吉氏の研ぎ澄まされた感性が光る、幻想的な連作短篇集です。現実と異界の狭間を描く独特の文体は、じっくりと読書を楽しみたい時に最適です。詳しい内容や著者情報は、商品ページで内容紹介・版・形式・著者情報を確認するようにしてください。
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