明治を代表する文豪、森鴎外の初期代表作である「舞姫」と「うたかたの記」などを収録した角川文庫版です。本作は、エリート官僚がドイツ留学中に異国の舞姫と恋に落ちるも、自己のキャリアと愛の間で葛藤する姿を描いた悲恋物語として知られています。鴎外自身のドイツ留学経験が色濃く反映されており、近代日本の黎明期における知識人の苦悩や自我の目覚めを深く掘り下げた作品として、今日まで多くの読者に読み継がれています。
舞姫・うたかたの記の基本情報
| 書名 | 舞姫・うたかたの記 |
|---|---|
| 著者 | 森 鴎外 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2013年06月21日頃 |
| ISBN | 9784041008430 |
| シリーズ | 角川文庫 |
| ジャンル | 文庫 |
| 価格 | 440円(税込) |
| 楽天ブックス評価 | ★2.4(17件) |
舞姫・うたかたの記はどんな本?
本書は、森鴎外が1890年(明治23年)に発表した短編小説「舞姫」を主軸に、「うたかたの記」など計5編を収めた作品集です。 「舞姫」は、若きエリート官僚・太田豊太郎が、ドイツ留学中に貧しい舞姫エリスと出会い、激しい恋に落ちる物語です。しかし、出世の道と愛する人との間で板挟みとなり、最終的に苦渋の決断を下す豊太郎の姿が、高雅な文体で描かれています。 鴎外のドイツ留学経験が背景にあり、近代的な自我の目覚めと、当時の社会的な価値観との衝突という普遍的なテーマが読み取れます。 本書は文字が読みやすいように改版されており、古典文学に親しむ最初の一歩としても適しています。
舞姫・うたかたの記の内容と読みどころ
特徴1:エリート官僚と異国の舞姫との悲恋
主人公・太田豊太郎がドイツで出会った舞姫エリスとの間に育む、激しくも悲しい恋愛模様が物語の中心に描かれています。
特徴2:近代的な自我と社会規範の葛藤
豊太郎が、個人の自由な感情と、国家や出世といった社会的な責任との間で揺れ動く内面が深く掘り下げられており、近代知識人の苦悩を象徴しています。
特徴3:森鴎外の「ドイツ三部作」の一編
鴎外自身のドイツ留学経験が色濃く反映された作品であり、「うたかたの記」「文づかひ」とともに「ドイツ三部作」と称される初期代表作の一つです。
この本がおすすめの人
本作は、古典文学に初めて触れる方や、明治時代の日本文学に興味がある方におすすめです。特に、個人の感情と社会的な責任の板挟みで苦悩する主人公の姿に共感する方や、異文化の中での恋愛や人間関係の機微に惹かれる方には深く響くでしょう。また、美しい文語体で書かれた文章を味わいたい方、あるいは「舞姫」が高校の教科書にも採用されているため、作品の背景や解釈を深めたい学生にも適しています。
舞姫・うたかたの記の評判・口コミ
森鴎外の代表作である「舞姫」は、発表から長い年月を経た現在も多くの読者によって議論されています。読書メーターなどのレビューでは、主人公・太田豊太郎の行動に対して「独り善がりな自己憐憫」や「クズ」といった厳しい評価が見られる一方で、当時の時代背景や社会的な制約を考慮すると、豊太郎の選択も理解できるという声も存在します。 また、文語体で書かれているため読みづらいと感じる読者もいますが、その格調高い文章自体を評価する意見や、物語の奥深さから様々な解釈が生まれる「名作」であると評する声も多く見られます。 楽天ブックスのレビュー平均は2.4とされていますが、これは作品の評価が二分される傾向を反映しているとも考えられます。
舞姫・うたかたの記の著者情報
森鴎外(もり おうがい)は、1862年(文久2年)に石見国津和野町(現在の島根県)に生まれ、本名を森林太郎(もり りんたろう)といいます。 東京大学医学部を卒業後、陸軍軍医となり、1884年(明治17年)から4年間ドイツへ留学しました。 帰国後、留学中の経験を基に処女小説『舞姫』を発表し、文学活動を開始。 軍医としては陸軍軍医総監にまで昇進する傍ら、『雁』『阿部一族』『山椒大夫』『高瀬舟』など数々の小説や史伝、評論、翻訳を手がけ、明治・大正期を代表する知識人、文豪として活躍しました。
舞姫・うたかたの記の出版社情報
KADOKAWAは、1945年に角川源義が創業した角川書店を起源とする日本の総合エンターテインメント企業です。 1949年には「角川文庫」を創刊し、文庫本ブームを牽引しました。 出版を軸に、映画、アニメ、ゲーム、Webサービス、教育など多岐にわたる事業を展開しており、「グローバル・メディアミックス with Technology」を強みとしています。 本書が収録されている角川文庫は、長年にわたり日本の文学作品を広く読者に届ける役割を担っており、古典から現代作品まで幅広いジャンルを刊行しています。
舞姫・うたかたの記を購入する前に確認したい情報
発売日は2013年06月21日頃、ISBNは9784041008430です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。
舞姫・うたかたの記の書評まとめ
森鴎外の『舞姫・うたかたの記』は、明治という時代の転換期に生きたエリートの苦悩と、異国での悲恋を描いた不朽の名作です。個人の感情と社会的な期待の間で揺れ動く主人公の姿は、現代の読者にも通じる普遍的なテーマを投げかけます。文語体への慣れは必要ですが、その格調高い文章と深い心理描写は、読み終えた後に豊かな読後感をもたらすでしょう。自己の生き方や選択について深く考えたい方、近代文学の傑作に触れたい方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

