【書評】源氏物語(夕霧)5版|紫式部/松尾聰|笠間書院

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源氏物語(夕霧)5版 9784305000781 笠間書院 パッケージ画像

千年以上読み継がれる日本文学の最高峰『源氏物語』。本書『源氏物語(夕霧)5版』は、その全五十四帖の中でも、光源氏の長男・夕霧を主人公に据えた第三十九帖「夕霧」を、古典文学研究者である松尾聰氏が校訂・注釈を施した一冊です。平安時代の宮廷を舞台に、夕霧の恋と苦悩、そして人間関係の機微が描かれるこの帖は、物語全体の深みを増す重要な部分として知られています。長年にわたり読み継がれてきたこの校註本は、古典文学を深く学びたいと考える読者にとって、貴重な手引きとなるでしょう。

源氏物語(夕霧)5版の基本情報

書名 源氏物語(夕霧)5版
著者 紫式部/松尾聰
出版社 笠間書院
発売日 1988年01月
ISBN 9784305000781
ジャンル 人文・思想・社会
価格 385円(税込)

源氏物語(夕霧)5版はどんな本?

本書は、『源氏物語』の第三十九帖「夕霧」に特化した校註本です。この帖では、光源氏の嫡男である夕霧が、亡き親友・柏木の未亡人である落葉の宮に心を惹かれ、その恋を成就させようと奮闘する姿が描かれます。真面目な人柄で知られる夕霧が、義理の母にあたる落葉の宮の母・一条御息所の病気見舞いを口実に小野の山荘を訪れ、強引ともいえる形で宮に迫る様子が詳細に綴られています。夕霧の行動が周囲に誤解を生み、正妻である雲居雁との関係にも波紋を広げるなど、平安貴族社会における複雑な人間模様と倫理観が浮き彫りになる物語です。大学や高校、カルチャーセンターなどでの学習教材として、原文に丁寧な注釈と解説が加えられており、古典に親しむための入門書としても最適です。

源氏物語(夕霧)5版の内容と読みどころ

特徴1:光源氏の長男・夕霧の人間的な魅力と葛藤

「夕霧」の帖では、これまで真面目な人物として描かれてきた夕霧が、亡き親友の妻である落葉の宮への抑えきれない恋心に苦悩し、時に強引な行動に出るなど、彼の人間的な深みが描かれています。

特徴2:平安貴族社会の複雑な人間関係と倫理観

夕霧と落葉の宮、そして正妻・雲居雁との三角関係を通じて、当時の貴族社会における婚姻制度、倫理観、そして女性たちの置かれた立場が克明に描かれており、物語の背景にある文化を深く理解する手がかりとなります。

特徴3:学習に最適な丁寧な校訂と注釈

本書は「源氏物語大成」の底本を基に、読みやすいように段落分けや仮名遣いの調整、句読点の付与がなされています。簡潔ながらも文法上重要な箇所や解釈に疑問が生じる点には詳細な頭注が施されており、学習者の理解を深める工夫が凝らされています。

この本がおすすめの人

この本は、古典文学、特に『源氏物語』をこれから深く学びたいと考えている学生や社会人の方におすすめです。詳細な注釈と解説が施されているため、原文を読むことに不安がある方でも安心して読み進めることができるでしょう。また、平安時代の文化や貴族社会の人間関係に興味がある方、登場人物の心理描写を通して物語の奥深さを味わいたい方にも適しています。さらに、古典文学の授業や読書会で『源氏物語』を取り上げる際の、信頼できるテキストを探している方にも最適な一冊と言えます。

源氏物語(夕霧)5版の評判・口コミ

本書は、大学や短期大学、高等専門学校、高等学校、さらにはカルチャーセンターなど、幅広い教育機関での『源氏物語』の演習や講読において、「完本で最良の教科書」として企画された校註本として評価されています。 「源氏物語大成」の底本を基に、青表紙系諸本による訂正が加えられた本文は、学術的な信頼性が高いとされています。 また、教科書としての性質上、本文には適宜段落が設けられ、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛てるなど、現代の読者にとって読みやすいよう工夫が凝らされている点が評価されています。 頭注は簡潔ながらも、文法上注意すべき箇所や解釈に疑問がある箇所については詳しく触れられており、学習者の深い理解を助けるという点で支持を集めています。 廉価で提供されている点も、多くの学習者にとって利用しやすい要因となっています。

源氏物語(夕霧)5版の著者情報

紫式部(むらさきしきぶ)は、平安時代中期に活躍した女房、作家、歌人です。その代表作である『源氏物語』は、日本文学のみならず世界文学史上でも傑作として高く評価されています。一条天皇の中宮彰子に仕え、その宮仕えの様子は『紫式部日記』に記されています。本名は不明ですが、父・藤原為時の官職と『源氏物語』の登場人物「紫の上」にちなんで「紫式部」と呼ばれるようになったとされています。幼少の頃から漢文を読みこなす才女であったと伝えられており、その豊かな知識と鋭い観察眼が『源氏物語』の深遠な世界を築き上げました。 本書の校訂・注釈を手がけた松尾聰(まつおさとし)氏は、笠間書院から刊行されている複数の『源氏物語』分巻校註本に携わっており、『源氏物語』研究における深い知見を持つ研究者です。彼の遺稿集も『源氏物語』に関するものであり、その研究への情熱がうかがえます。

源氏物語(夕霧)5版の出版社情報

笠間書院は、1966年(昭和41年)に設立された日本の出版社です。上代から現代に至るまで、日本文学、日本語、日本文化に関する専門書、学術書、そして一般啓蒙書を幅広く手がけています。 特に古典文学の分野に強みを持ち、「古典ルネッサンス」や「古典ライブラリー」といったシリーズを展開し、日本の豊かな古典文化を現代に伝える役割を担っています。 「人がよりよく生きるために」というテーマを掲げ、学術的な知見を一般の読者にも分かりやすく提供することを目指しています。 本書のような『源氏物語』の校註本は、同社の専門性と、古典文学の普及に対する貢献を示す一例と言えるでしょう。

源氏物語(夕霧)5版を購入する前に確認したい情報

発売日は1988年01月、ISBNは9784305000781です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。

源氏物語(夕霧)5版の書評まとめ

『源氏物語(夕霧)5版』は、古典文学の金字塔である『源氏物語』の「夕霧」の帖を、学術的な正確さと学習者の利便性を両立させた校註本です。紫式部が描いた平安貴族の複雑な人間模様や心理を、松尾聰氏による丁寧な注釈と解説を通して深く理解することができます。古典文学の学習者や研究者、あるいは『源氏物語』の世界をより深く味わいたいと考える一般の読者にとって、この一冊は物語の魅力を再発見するための優れたガイドとなるでしょう。手頃な価格で提供されていることもあり、古典への第一歩を踏み出すきっかけとしても検討に値します。

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