【書評】奈良絵本『太平記』の世界|中根千絵/森田貴之|勉誠出版

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本書『奈良絵本『太平記』の世界』は、永青文庫が所蔵する貴重な「絵入太平記」の全挿絵を、初めてフルカラーで影印公開した画期的な研究書です。軍記物語の最高峰とされる『太平記』の享受史において、類を見ない規模の絵画資料として注目されるこの奈良絵本は、中根千絵氏と森田貴之氏という二人の研究者によって編纂されました。中世文学研究に新たな光を当てる本書は、専門家だけでなく、日本の古典文化に関心を持つ読者にとっても、その世界に深く触れる機会を提供するでしょう。

奈良絵本『太平記』の世界の基本情報

書名 奈良絵本『太平記』の世界
副題 永青文庫所蔵『絵入太平記』全挿絵影印ならびに研究
著者 中根千絵/森田貴之
出版社 勉誠出版
発売日 2022年03月31日頃
ISBN 9784585390077
ジャンル 人文・思想・社会
価格 55,000円(税込)

奈良絵本『太平記』の世界はどんな本?

本書は、永青文庫に伝わる『絵入太平記』全83冊(『太平記』全40巻および「剣巻」1巻を二冊ずつに分冊)の全挿絵を、緻密な極彩色でフルカラー影印として公開したものです。この「絵入太平記」は、『太平記』の奈良絵本としては最大規模を誇り、約800枚に及ぶ挿絵は、物語のほとんどの章段を網羅しています。影印篇では、これらの美麗な挿絵が余すところなく紹介され、研究篇では、『太平記』の梗概と挿絵の簡潔な注釈、主要版本との挿絵の対比表、そして永青文庫蔵『絵入太平記』の歴史的位置づけを考察した解題が収められています。これにより、これまで未公開であった貴重な絵画資料が、詳細な研究とともに世に問われることとなりました。

奈良絵本『太平記』の世界の内容と読みどころ

特徴1

これまで未公開であった永青文庫所蔵の『絵入太平記』全挿絵が、初のフルカラー影印として公開されています。稠密な極彩色で描かれた約800枚の挿絵は、当時の絵画表現や『太平記』の視覚的享受を理解する上で貴重な資料となります。

特徴2

『太平記』の奈良絵本としては最大規模を誇り、全40巻および「剣巻」のほとんどの章段に挿絵が付されています。これは『太平記』享受史において他に類を見ない規模の絵画資料であり、物語の全体像を絵で辿れる点が大きな魅力です。

特徴3

影印篇に加えて、研究篇では『太平記』の梗概、挿絵の簡注、主要版本との挿絵対比表、そして永青文庫蔵『絵入太平記』の歴史的位置づけを考察した解題が収録されています。これにより、単なる資料集に留まらない、深い学術的考察が提供されています。

この本がおすすめの人

この本は、日本の古典文学、特に軍記物語『太平記』の研究者や愛好家にとって必携の一冊です。中世の絵画史、美術史に関心を持つ方々にとっても、貴重な絵画資料の宝庫となるでしょう。また、奈良絵本の研究者や、日本の書物文化、享受史に関心のある専門家にも深く響く内容となっています。高価な専門書であるため、大学や研究機関の図書館、あるいは個人で深く研究を進める研究者におすすめできます。

奈良絵本『太平記』の世界の評判・口コミ

本書は、永青文庫所蔵の貴重な『絵入太平記』の全挿絵を初めて公開した学術書として、専門分野の研究者から高い評価を受けています。特に、これまで未公開であった資料のフルカラー影印と、詳細な研究篇が一体となっている点が、資料的価値と学術的貢献の両面で注目されています。大学図書館や研究機関での所蔵が見られ、中世文学や美術史研究における基礎資料としての位置づけが確立されていることがうかがえます。一般の読者レビューは少ないものの、その専門性と資料の稀少性から、研究者コミュニティ内での評価は非常に高いと考えられます。

奈良絵本『太平記』の世界の著者情報

中根千絵氏は1967年生まれで、愛知県立大学教授を務める文学博士です。専門は中古・中世文学、特に説話文学を研究しており、『いくさの物語と諧謔の文学史』(三弥井書店)などの著書があります。 森田貴之氏は1979年生まれで、南山大学人文学部准教授であり、軍記文学や和漢比較文学を専門としています。 『日本人と中国故事 変奏する知の世界』(勉誠出版)などの共編著があり、特に『太平記』の諸本展開や漢籍・仏典受容に関する研究を精力的に行っています。 両氏ともに中世文学研究の第一線で活躍されており、本書はそれぞれの専門知識が結集された成果と言えるでしょう。

奈良絵本『太平記』の世界の出版社情報

勉誠出版は1967年(昭和42年)に設立された日本の出版社です。 2021年には「株式会社勉誠社」が設立され、業務を引き継いでいますが、勉誠出版の既刊書籍も引き続き取り扱っています。 主に文学、歴史、考古、美術史、図書館学といった人文科学系の学術書や専門書を中心に刊行しており、特に古典文学やアジア研究に関する質の高い出版物で知られています。 本書も、その専門性と学術的価値を重視する出版方針を体現する一冊であり、研究者向けの貴重な資料を世に送り出すという出版社の特色がよく表れています。

奈良絵本『太平記』の世界を購入する前に確認したい情報

発売日は2022年03月31日頃、ISBNは9784585390077です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。

奈良絵本『太平記』の世界の書評まとめ

『奈良絵本『太平記』の世界』は、永青文庫所蔵の貴重な『絵入太平記』の全挿絵を、詳細な研究とともに初めて公開した、学術的価値の高い一冊です。中世文学、特に『太平記』の享受史や絵画史に関心のある研究者にとっては、必携の基礎資料となるでしょう。高価な専門書ではありますが、その資料的稀少性と研究の深さは、投資に値するものです。日本の古典文化や美術史を深く探求したい専門家や、大学・研究機関の図書館におすすめできる、まさに「世界」を広げる一冊と言えます。

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