【書評】#台所のあるところ|原田 ひ香|文藝春秋

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原田ひ香さんの最新作『#台所のあるところ』は、日々の暮らしと台所を巡る女性たちの物語を描いた連作短編集です。第175回直木三十五賞候補作にも選出され、発売前から多くの書店員から注目を集めました。ベストセラーとなった『三千円の使いかた』などで知られる著者が、今回は「台所」を舞台に、ままならない人生を生きる女性たちの姿を、ちょっぴりほろ苦くもじんわりと心に沁みこむ筆致で描き出します。現代社会における女性たちの多様な生き方や、見えないところで繋がる人々の心の機微に触れる一冊として、読者の共感を呼んでいます。

#台所のあるところの基本情報

書名 #台所のあるところ
著者 原田 ひ香
出版社 文藝春秋
発売日 2026年05月13日頃
ISBN 9784163920993
ジャンル 小説・エッセイ
価格 1,980円(税込)
楽天ブックス評価 ★3.6(127件)

#台所のあるところはどんな本?

本書は、世代も境遇も異なる6人の女性たちの「台所」と、それぞれの人生を描いた連作短編集です。物語の軸となるのは、作中に登場する30分の深夜ドラマ「台所のあるところ」。このドラマを視聴し、SNSで感想を共有する中で、女性たちはゆるやかに繋がり、それぞれのままならない現実と向き合っていきます。定年を迎えた夫が海外へ赴き、広い家に一人残された主婦が本当に欲しい冷蔵庫を求める話や、反目し合う家系が住む島に嫁いだ女性の運命、食べ盛りの子どもたちを育てるシングルマザーの台所事情など、それぞれのエピソードが現代女性のリアルな日常を映し出します。台所という日常的な空間を通して、人生における選択や葛藤、そしてささやかな希望が丁寧に描かれています。

#台所のあるところの内容と読みどころ

特徴1

**「台所」から見えてくる人生の機微** 本書では、それぞれの女性の台所が、その人の人生や心情を象徴する場所として描かれています。冷蔵庫選びから始まる新たな人生の模索や、家族との関係性、日々の苦悩と喜びが台所という身近な空間を通して鮮やかに浮かび上がります。

特徴2

**ドラマとSNSで繋がる現代的な連帯** 作中に登場する深夜ドラマ「台所のあるところ」を介して、見ず知らずの女性たちがSNSで感想を共有し、ゆるやかに繋がっていく描写は、現代社会における人々の新しいコミュニケーションの形を提示し、共感を呼びます。

特徴3

**原田ひ香さんらしい「暮らし」の描写** 『三千円の使いかた』などで定評のある原田ひ香さんならではの、お金や食、そして女性たちの日常をリアルに、そして温かく描く筆致が本作でも存分に発揮されています。ちょっぴりほろ苦くも、じんわりと心に響く物語が展開されます。

この本がおすすめの人

この本は、日々の暮らしの中でささやかな喜びや悩みを抱える多くの女性におすすめです。特に、家庭や仕事、人間関係において「ままならない」と感じることがある方には、登場人物たちの姿に深く共感し、そっと肯定されるような読書体験が得られるでしょう。また、原田ひ香さんのこれまでの作品、特に『三千円の使いかた』や「ランチ酒」シリーズを愛読されている方には、著者の新たな境地を感じられる一冊として手に取っていただきたいです。現代のSNSを通じた人々の繋がりや、多様な価値観に触れたい方にも、新しい発見があるかもしれません。

#台所のあるところの評判・口コミ

★★★☆ 3.6 (127レビュー)

WEB上のレビューでは、多くの読者から「共感できる」「心に沁みる」といった声が寄せられています。特に、台所という日常的な空間が、女性たちの人生や心情を深く映し出す舞台となっている点が高く評価されています。作中の深夜ドラマとSNSを介した繋がりという設定も、「新しくて面白い」「現代的」と好意的に受け止められており、読者自身も登場人物たちと連帯感を覚えるという感想が見られます。一方で、第175回直木賞候補作となったことについては、その読みやすさや心温まる作風から「エンタテインメントとして素晴らしい」という意見があるものの、「直木賞を獲るほどのインパクトは感じられなかった」という、賞レースにおける評価軸とは異なる視点からの声も一部に見受けられます。全体としては、日常のささやかな出来事の中に人生の深みを見出す、心温まる作品として広く支持されています。

#台所のあるところの著者情報

原田ひ香さんは1970年神奈川県生まれの小説家・脚本家です。大妻女子大学文学部で日本文学を専攻し、卒業後は秘書として勤務。結婚後、独学でシナリオを学び始め、2005年に「リトルプリンセス2号」でNHK創作ラジオドラマ脚本懸賞公募の最優秀作を受賞しました。2007年には「はじまらないティータイム」ですばる文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。お金や食、そして女性たちの日常をテーマにした作品を多く手掛け、『三千円の使いかた』は累計100万部に迫るベストセラーとなり、テレビドラマ化もされました。本作『#台所のあるところ』は、自身の作品がドラマ化された際のSNSでの反響から着想を得ており、現代のコミュニケーションと暮らしを深く見つめた一冊となっています。

#台所のあるところの出版社情報

株式会社文藝春秋は、1923年に作家・菊池寛によって創設された日本の総合出版社です。『文藝春秋』『週刊文春』『オール讀物』『文學界』など、多岐にわたるジャンルの雑誌発行に加え、単行本、文庫、新書、全集の刊行を通じて、文学の王道を歩んでいます。特に、芥川龍之介賞や直木三十五賞といった権威ある文学賞の制定・運営に深く関与し、新たな才能の発掘と育成にも力を入れています。創設者・菊池寛の「自由な心持で語りたい」という精神をDNAとして受け継ぎ、活字からデジタルメディアまで幅広い表現の舞台で、質の高いコンテンツを提供し続けています。本書も、直木賞候補作として、同社の文学に対する深いコミットメントを示す一冊と言えるでしょう。

#台所のあるところを購入する前に確認したい情報

発売日は2026年05月13日頃、ISBNは9784163920993です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。

#台所のあるところの書評まとめ

原田ひ香さんの『#台所のあるところ』は、台所という日常の風景を通して、ままならない人生を生きる女性たちの心情を丁寧に描いた作品です。直木賞候補作に選ばれたことからもその文学的評価の高さがうかがえ、多くの読者が共感し、心温まる読後感を得ています。日々の暮らしの中でふと立ち止まり、自分自身の生き方や大切なものについて考えたい方、また、現代社会における人々の繋がりや多様な価値観に興味がある方にとって、深く心に響く一冊となるでしょう。原田ひ香さんのファンはもちろん、初めて作品に触れる方にもおすすめできる、じんわりと優しい物語です。

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