【書評】ユダヤ人の歴史|鶴見太郎|中央公論新社

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鶴見太郎氏による『ユダヤ人の歴史』は、古代から現代に至る3000年にも及ぶユダヤ民族の壮大な歴史を、新書という形で網羅的に解説する一冊です。ユダヤ人が五大陸を流浪しながらも、なぜ世界に多大な影響を与え続けてきたのかという問いに対し、彼らが置かれた状況への「カスタマイズ」という視点からその軌跡をたどります。ロシア東欧・ユダヤ史を専門とする著者が、複雑なユダヤ史を一般読者にも分かりやすく語りかけることで、断片的な知識ではなく、連続した「線」としての歴史理解を促します。

ユダヤ人の歴史の基本情報

書名 ユダヤ人の歴史
副題 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで
著者 鶴見太郎
出版社 中央公論新社
発売日 2025年01月22日頃
ISBN 9784121028396
シリーズ 中公新書 2839
ジャンル 新書
価格 1,188円(税込)
楽天ブックス評価 ★4.1(118件)

ユダヤ人の歴史はどんな本?

本書は、ユダヤ教を信仰するユダヤ民族の3000年にわたる歴史を、古代の王国建設から民族離散、ペルシア・ローマ・スペイン・オスマン帝国下での繁栄、東欧での迫害、ナチスによるホロコースト、ソ連・アメリカへの適応、そしてイスラエル建国と中東戦争に至るまで、雄大なスケールで描いています。 著者は、ユダヤ人がマイノリティとして様々な地域の歴史的状況に「適応」し、自らを「カスタマイズ」してきた過程に注目。 特に、著者の専門である近現代のロシア・ソ連におけるユダヤ史に手厚く記述されており、 シオニズム運動の背景やイスラエル建国への理解を深める上で重要な視点を提供します。 高校生にも読めるよう、口語的な表現を織り交ぜるなど、読者のハードルを下げる工夫が凝らされています。

ユダヤ人の歴史の内容と読みどころ

特徴1

3000年にわたるユダヤ史を古代から現代まで通史として一冊で概観しており、世界史の教科書では断片的にしか触れられないユダヤ人の歴史を「線」として理解できる点。

特徴2

ユダヤ人が置かれた状況に対して自らを「カスタマイズ」し、生き抜いてきたという独自の視点から歴史を読み解き、受動的な犠牲者というイメージを塗り替える試み。

特徴3

著者の専門であるロシア東欧のユダヤ史に重点を置き、ホロコーストだけでなく、ロシア帝国におけるユダヤ人の生活やポグロム、シオニズム運動への影響を深く掘り下げている点。

この本がおすすめの人

この本は、世界史におけるユダヤ人の役割や歴史的背景について、より深く理解したいと考えている人におすすめです。特に、高校生や世界史を学び直したいと考えている一般読者にとって、専門的な内容を分かりやすく解説しているため、入門書としても適しています。 また、現代の中東問題やイスラエル・パレスチナ紛争の根源に関心があり、その歴史的経緯を多角的に捉えたい読者にも有益な一冊となるでしょう。 ユダヤ文化や民族のアイデンティティ形成に関心がある方にも、彼らがどのようにしてその生き方を貫いてきたのかを知る手がかりとなるはずです。

ユダヤ人の歴史の評判・口コミ

★★★★ 4.1 (118レビュー)

WEB上のレビューでは、本書が3000年にも及ぶユダヤ人の歴史を新書という限られた紙幅で網羅的に描いている点が高く評価されています。 特に、世界史の教科書では断片的にしか語られないユダヤ史を、連続した流れとして理解できるという声が多く見られます。 著者が提唱する「カスタマイズ」という視点が、ユダヤ人の歴史を能動的に捉え直す新鮮な切り口として注目されています。 一方で、専門用語や固有名詞が多く、前提知識が少ない読者にとってはやや難解に感じるという感想も一部で見られますが、 全体としては、ユダヤ史の全体像を把握するための貴重な一冊として肯定的に受け止められています。

ユダヤ人の歴史の著者情報

鶴見太郎氏は1982年岐阜県生まれの歴史社会学者です。東京大学大学院総合文化研究科准教授を務め、専門はロシア東欧・ユダヤ史、シオニズム、エスニシティ・ナショナリズム論、イスラエル・パレスチナ紛争など多岐にわたります。 日本学術振興会賞や日本学士院学術奨励賞を受賞しており、その研究は高く評価されています。 主な著書に『ロシア・シオニズムの想像力』『イスラエルの起源』などがあり、 共編著に『ユダヤ文化事典』も手掛けています。 本書『ユダヤ人の歴史』は、自身の専門分野であるロシア東欧のユダヤ史を深く掘り下げつつ、ユダヤ史全体を一般読者に分かりやすく伝えることを目指して執筆されました。

ユダヤ人の歴史の出版社情報

中央公論新社は1886年(明治19年)に「反省会」として創業し、その後「中央公論社」と改名した歴史ある出版社です。 1999年に読売新聞グループの一員となり、中央公論新社として再スタートを切りました。 総合雑誌『中央公論』や『婦人公論』をはじめ、文芸、政治、経済、歴史、教養など幅広い分野の書籍を刊行しており、中公新書、中公文庫などのレーベルも展開しています。 良書路線を貫き、多くのベストセラーや文学賞受賞作を世に送り出してきました。 本書『ユダヤ人の歴史』も、同社の教養新書レーベルである中公新書の一冊として刊行され、読者に深い学びを提供しています。

ユダヤ人の歴史を購入する前に確認したい情報

発売日は2025年01月22日頃、ISBNは9784121028396です。価格や在庫は変わるため、注文前に楽天ブックスの最新表示をご確認ください。

ユダヤ人の歴史の書評まとめ

鶴見太郎氏の『ユダヤ人の歴史』は、古代から現代まで3000年にわたるユダヤ民族の歴史を、一貫した視点から解説する貴重な一冊です。世界史の大きな流れの中でユダヤ人がどのように生き、世界に影響を与えてきたのかを知りたい読者にとって、その複雑な歴史を体系的に理解する手助けとなるでしょう。特に、現代の国際情勢の背景にあるユダヤ史に関心を持つ方や、教養として歴史を深く学びたい方に検討をおすすめします。

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